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-ノーアクションレター制度-Beyond(9/26-00:04)No.138249
 関連する条文(特定商取引法)-Beyond(9/26-00:17)No.138252
 社会全体がアマチュア化しているからね-「ものつくり屋」(9/26-17:48)No.138270
  アマチュアというより・・・-トド(9/27-01:46)No.138280
   「冗長性」の概念-「ものつくり屋」(9/27-08:48)No.138284
    冗長系は無駄だとする思想-えるふぃん(9/27-10:50)No.138289
    テーラーイズム過適用応症候群-「ものつくり屋」(9/27-11:57)No.138292
    付加サービス競争の時代-「ものつくり屋」(9/27-12:40)No.138294
    「冗長性」の概念=イレギュラー処理-トド(9/28-01:03)No.138321
     「消費者=労働者とその家族」の概念-「ものつくり屋」(9/28-11:04)No.138336


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138249ノーアクションレター制度Beyond 9/26-00:04

最近、たまたま知ったのですが、「日本版ノーアクションレター制度」
と言うのがあるそうです。

これは、企業が新しいビジネスを始める際に「違法かどうか確認した
い」時に使うもので、行政からOKの回答が出たなら行政処分を起こ
さない(ノーアクション)ことを保証するという制度のようです。

ただし、行政からOKを貰ったとしても、捜査機関・司法機関の判断
とは関係無いそうで、「行政的にはOKだけど、有罪」と言うことも
ありえるそうです(三権分立制度であるため)。

経済産業省の説明
http://www.meti.go.jp/policy/no_action_letter/

各省庁のノーアクションレター制度のリンク
http://www.e-gov.go.jp/link/no_action_letter.html

さて、この制度による回答は全て公開なので、特商法を管轄する経産省
について見たところ、1件だけありました。ワンクリ注文に関する質問
のようです。蛇足ですが、これは特商法の特定の条文に関する質問な
ので、別の条文や他の法律に引っかからないとは限りません。
http://www.meti.go.jp/policy/no_action_letter/no-action-jirei.html

で、何人も使えると言う制度では無いので、普通の人には、あまり関係
無いのですが、法律スレスレの業者がお墨付きを貰うのに使えますし、
町村さんが「blogで選挙のこと書いても良いですか?」なんて質問して
たりするので、上手くやれば何かに使えるかもしれません。とりあえず、
ご紹介です。
http://matimura.cocolog-
nifty.com/matimulog/2005/08/no_action_lette_3b49.html

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138252関連する条文(特定商取引法)Beyond 9/26-00:17
記事番号138249へのコメント
ノーアクションレターは、全ての条文について確認できるわけでは無く、
「あらかじめ列挙された、特定の(罰則がある)条文」についてのみ、
OKかどうか質問することが可能です。

とりあえず、特定商取引法で列挙されている条文をあげてみます。
・訪問販売
第七条(指示)
第八条(業務の停止等)

・通信販売
第十四条(指示)
第十五条(業務の停止等)

・電話勧誘販売
第二十二条(指示)
第二十三条(業務の停止等)

・連鎖販売取引
第三十九条(連鎖販売取引の停止等)
第三十八条(指示)

・特定継続的役務提供
第四十六条(指示)
第四十七条(業務の停止等)

・業務提供誘引販売取引
第五十七条(業務提供誘引販売取引の停止等)
第五十六条(指示)

・特定商取引適正化業務を行う者
第六十二条(改善命令)
第六十三条(指定の取消し)

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138270社会全体がアマチュア化しているからね「ものつくり屋」 9/26-17:48
記事番号138249へのコメント
こんにちは、Beyondさん。

>これは、企業が新しいビジネスを始める際に「違法かどうか確認した
>い」時に使うもので、行政からOKの回答が出たなら行政処分を起こ
>さない(ノーアクション)ことを保証するという制度のようです。

なんて言うかな、大学の入学式で「お漏らし」しちやった子が「だって
誰も事前に『トイレに行っておくように』って教えてくれなかった」と
喚いて、それ以来、入学式の案内に「式典は数時間かかりますから、ト
イレに行ってから参加してください」なんて書くような話に見えてしま
います(笑)。

社会全体がアマチュア化してきていて、「自分で判断する力」が無くな
っている事の現れの様な気がしますね。でもって、「判断しない」を前
提として周りが判断を提供するのが当然になりつつあるのかな。

なんていうか、この種の判断業務というのは「レベルの高い」公務員を
大量に必要とするものなんですよね。そんな事をやっていて「小さな政
府」はあり得ない気がしてきますね(外注で対応するのかな?)。


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138280アマチュアというより・・・トド 9/27-01:46
記事番号138270へのコメント
トドです。ものつくり屋さん、こんばんは。

まったく横道なんですが、ちょっと愚痴をこぼさせてください。

「ものつくり屋」さんは No.138270「社会全体がアマチュア化しているから
ね」で書きました。
>
>社会全体がアマチュア化してきていて、「自分で判断する力」が無くな
>っている事の現れの様な気がしますね。でもって、「判断しない」を前
>提として周りが判断を提供するのが当然になりつつあるのかな。

この間、ある製品を、それを求めている企業に向けて開発したときの話で
す。出来た製品をもってその企業に行き「お求めの製品が出来ましたので
商品化して下さい」とお願いしました。現場の担当の方は早速その企業内
で商品化の手続きを進めたのですが、その時に問題となったのが「誤った
使い方をしたことを想定したテストの有無」でした。

電気製品なのですが「屋外での使用」とか「適合しない機器との接続」は
辞めてください、と取り説に記載しています。にも関わらず「屋外で使用
した場合はどうなるか」「誤ってこんな使い方をしたらどうなるか」テス
トしてないのか?と言われたのです。

正しい使い方で仕様通りの結果を出すことは保証出来ても、誤った使い方
をされた時に「どういう結果になるか・ならないか」を保証することは出
来ません。

誤った使い方、というのが余りに広すぎてどんな結果になるか確定しない
からです。

PL法の問題があるので、使用する際の注意書きが必要なことは理解してい
ます。しかし、例えば「猫を電子レンジで乾かさないでください」的な、
注意書きが本当に必要なのか、と言われれば疑問ですし、ましてやその
為に実際に猫を電子レンジに入れてどうなるかテストする必要性は無いと
思っています。
 #猫をレンジの話が都市伝説なのは承知で例として出させて頂きました。

「専門家」であっても、全ての「誤った使い方」を想定することは現実
的に不可能ですし、同じ「誤った使い方」でも結果が同じとは限らない
ので「どうなる」とは言え無いのです。

>
>なんていうか、この種の判断業務というのは「レベルの高い」公務員を
>大量に必要とするものなんですよね。そんな事をやっていて「小さな政
>府」はあり得ない気がしてきますね(外注で対応するのかな?)。
>

規制緩和という方針と真っ向から反対するものですね。
民間のメーカでも、正しく使用していてトラブルが発生した場合の対応(
および発生しないようにする対応)に人・物・金を投入するのは正しいこ
とですが、訳の分からないテスト等にリソースを投入することは無意味で
しかありません。製品価格にその分を乗せて納得頂けるなら別ですが。

先の例ですが、実際に「この製品、水の中での動作テストはされましたか?」
と質問されたときには開いた口が暫く閉じませんでした・・・
 #「屋内で使用、って言ってるだろが!」と心の中で(以下略 orz)

ゴミレス失礼致しました。

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138284「冗長性」の概念「ものつくり屋」 9/27-08:48
記事番号138280へのコメント
こんにちは、トドさん。

>電気製品なのですが「屋外での使用」とか「適合しない機器との接続」は
>辞めてください、と取り説に記載しています。にも関わらず「屋外で使用
>した場合はどうなるか」「誤ってこんな使い方をしたらどうなるか」テス
>トしてないのか?と言われたのです。

まあ、テストをするかどうかは別にして、設計から読める話しとして「ちょ
っとした雨に当たったら」とか、「風が当たったら」とかどうなるかくらい
は読めますよね。基本的には家電品にはジャケットをかぶせていますから、
屋内で「ちょっとした水しぶきをあびる」「扇風機の風があたる」程度では
不具合は起こらない様に設計しますからね。

テストを求められる事で「馬鹿な」というのはプロとして少し恥ずかしい面
があって、「そこまでのテストはしていませんが、屋内使用でもこの程度の
事は予想した設計となっています。そのため、屋外使用中のにわか雨で、急
いで屋根のあるところに取り込んだ場合くらいは、たいてい保つとは思いま
すが、そこまでの保証はできませんので、『屋内で使用してください』『水
しぶきがかからない様に使用してください』という事にしています。」とい
う説明で相手に納得してもらう事を心がけるべきだと思うわけです。

なんて言いますかね、こうやって、自分の設計では「ここまでは保つ』くら
いに作って置いて、それより一段低い所を「保証」のレベルするというのは
我々の世代の一種の常識なんですね。これを「冗長性」なんて言いますけど
ね。

私が見た感じでいうと、皆さんの世代というのはこの「冗長性」を「無駄」
としか思わない世代の様な気がする訳です。笑い話ですが、この前仕事場で
或る装置を移動させました。でもって若い人数人に力を借りたのですが、途
中でその精密機械を台車から落とすなんて事をしてくれましてね(笑)。運
んだ子がしょげているので、「ああ、この機械は15年前のだから、この程
度なら大丈夫だよ、最近のはだめだけど」なんてね(無事でしたよ:笑)。

その装置も、最近の装置も、取説上の保証条件は同じです。

なんて言いますかね、この事前問い合わせ制度にしてもね。昔なら「どう考
えても法律にはかからない」という所まで自分のシステムを持っていくとい
う事が基本にあったわけです。ギリギリなんてのは、「プロがやる事じゃな
い」訳ですね。ところが、今はプロの概念が変わってきて、冗長性を省いて
ギリギリにするのがプロみたいになっているから、制度が必要となるわけで
すよ。

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138289冗長系は無駄だとする思想えるふぃん 9/27-10:50
記事番号138284へのコメント
ものつくり屋さんこんにちは。


>なんて言いますかね、こうやって、自分の設計では「ここまでは保つ』くら
>いに作って置いて、それより一段低い所を「保証」のレベルするというのは
>我々の世代の一種の常識なんですね。これを「冗長性」なんて言いますけど
>ね。
小生は、この掲示板では、ものつくり屋さんと比較的近い世代かと思っていま
したが、この世代分類では、結構下の世代にあたりそうです。

小生達の仕事の基本は、先輩である、「団塊の世代」前後10年の方の仕事を
否定することから始りましたからね。
先輩の仕事には、多くの「無駄」が眠っていて、これを掘り出し、無駄を廃す
るとが、目標とされてきたわけです。

この「無駄」と思っていたものの中に、多くの「冗長系」、「設計のゆとり」
があったんですよね。

で、この「ゆとり」は「製品のバラツキが大きいから、最低保証する為に、
ゆとりを設けざるを得ない」からついているもので、製品のバラツキが小さく
なれば、設計はぎりぎりまで追い込める(それで最低保証できる)という考
え方で処理してきたんですよね。
#そう言う指導をしたのも先輩なんですけどね(笑)

現在のように、価格至上主義が崩れ、顧客からの様々な要求に応える必要が
出てくると、根本から考え方を見直す必要がありそうですね。


>ところが、今はプロの概念が変わってきて、冗長性を省いてギリギリにする
>のがプロみたいになっているから、制度が必要となるわけですよ。
この制度の場合も、製品設計の場合も、どこにコストを設定するかが問題に
なりますね。

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138292テーラーイズム過適用応症候群「ものつくり屋」 9/27-11:57
記事番号138289へのコメント
こんにちは、えるふぃんさん。

>小生達の仕事の基本は、先輩である、「団塊の世代」前後10年の方の仕事を
>否定することから始りましたからね。
>先輩の仕事には、多くの「無駄」が眠っていて、これを掘り出し、無駄を廃す
>るとが、目標とされてきたわけです。

私は1980年代の米国不況を現地で経験した人間だし、そして今の日本がその
後を「順調に追いかけている」という感想も持っているのね。

別に「無駄の排除」が悪い訳では無いのね。ただね、そこには「人は論理的では
無い」という現実とのぶつかりがあるわけです。上の例でいくと「精密機械を専
門家にまかせず、自分たちで運ぶ」なんてのは、論理的では無いのね。でも人は
やってしまう訳です(まあ、いろいろ事情はあるんだけどね:笑)。でもって、
台車から落としてショックを与えるという事も現実にはある訳です。それで壊れ
ても別にメーカーに「弱い」と文句を言う気は無いけど、それでも壊れないとき
に「なかなか、丈夫に作っているな、うい奴じゃ、今度の更新の時もこの会社の
にしようか?」なんてのも、全然論理的では無いけど、現実には起こる訳ね。

>現在のように、価格至上主義が崩れ、顧客からの様々な要求に応える必要が
>出てくると、根本から考え方を見直す必要がありそうですね。

私は「テーラーイズム過適用症候群」なんて言っているけどね。テーラーという
のは、産業の現場に「科学的合理主義」を持ち込んだ最初の経営学者なんですね。
「経営者は平均的労働者が単位時間に行う事のできる作業量を把握しなくては成
らない」なんてね。今、思うと、「当たり前」のことなんだけど、実はテーラー
以前には把握されていないのね(笑)。でもって、テーラーの言う「合理的管理」
が見事に形になったのが、フォードのベルトコンベアーなんですね。単位労働量
を把握しないとベルトコンベアーの速度も決まらないからね。

テーラーの言う「合理的管理」は非常にうまくいった訳です、こと物の大量生産
という事に関して言うとね。でもって、やがて、単なる生産だけではなく「販売
」とか「企画立案」みたいな部分にも「合理的管理」が導入される訳です。でね、
これがうまくいかないなら良いんだけど「8割がたうまくいく」訳です。だから、
どんどん、どんどん、その方向が進んでいったのね。でもね、実はその時に、2
割がたの「うまくいかない面」が見落とされたのね。そして、テーラーイズムを
押し進めることで、この不適合の割合は増大して行ったのです。特に顧客との接
点に近いほど不適合になっていたのね。つまり、合理的管理の申し子でもある経
営修士たちが、「合理的予想」を立てるたびに、顧客との接点ではその予想が裏
切られ続けた訳です。それが形をなしたのが、1980年代の米国不況なんです
ね。

その時期に書かれた、ピータース、ウォーターマンの「エクセレントカンパニー」
という本は、何を示したかというと、「テーラーイズムの過適用こそが、この不
況の原因だ」という事なんですね。彼らはそれを、事例を列挙する事で示した訳
です、「うまくいかない事例には人間の持つ不合理性を無視したシステムがある」
「うまくいく事例には人間の持つ不合理性を基本においたシステムがある」と、
山ほどの事例を列挙する事で示したのね。

>この「無駄」と思っていたものの中に、多くの「冗長系」、「設計のゆとり」
>があったんですよね。

「無駄」は「無駄」です。でも「無駄は良くない」というのは「なぜ」なのかと
いう考察が無いまま、「無駄は悪い」と思う事が問題なんです。無駄が悪い理由
をとりあえず5つくらでも上げて、ある一つの無駄に対して「こうだから悪い」
とその5つの理由に当てはめる事をやっていると、その無駄に含まれる必要部分
が見えることもあるということくらいかな(笑)。

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138294付加サービス競争の時代「ものつくり屋」 9/27-12:40
記事番号138289へのコメント
こんにちは、えるふぃんさん。

>この制度の場合も、製品設計の場合も、どこにコストを設定するかが問題に
>なりますね。

私は、たまに「キンベン村物語」というお伽噺を紹介するのね。1000人の
村人がキンベンに働くとちょうど1000人が暮らせる村があったのね。でも
ってある時「倍の作物が成る種」が手に入った訳です。でもって、その作物を
作った次の年に村人は気がつくのね、「食べ物が余って腐っている」って。で
もって「作るものが多すぎるから減らそう」とくじを引いて半分の村人を村か
ら追い出す訳です。そうすると次の年、やはり「食べ物が余って腐っている」
訳です(笑)。

くだらない話だけどね、実はマクロ経済学の基本として、生産と消費のバラン
スを考えて欲しくて作った話なのね。村人は作り手は半分にしたのだけど、作
らない者を「追い出す」事で消費も半分にしちゃった訳です。でもね、笑えな
いよね。今の日本の生産性は過去に比べてはるかに高い訳です。でもって、そ
の高い生産性の会社同士がしのぎをけずって価格競争をしているわけです。そ
して価格競争の一環として、「人件費の抑制」もやっている訳ね。その結果と
して「不安定雇用」も増えているのね。でね、「給料が下がった」と嘆く労働
者や「収入のある立場が安定しない」と嘆く労働者は当然だけど「物を買い控
える」よね。その結果として生産量は常に消費量よりも多くなっいるのね。

実は、生産性の増大が続くといずれ市場がバランスを保てなくと気がついた最
初の経済学者はマルクスなのね。でもって、彼は市場競争の否定という考え方
に行き着く訳だけど、それもまた、人間という不合理な生き物向きでは無いわ
けです。かといって、生産性が消費量を超えている現代の市場で生産量を落と
しながら労働者=消費者を減らさないのを計画経済ではなく、市場競争を維持
しながら成し遂げるというのも「?」でしょ。

その無理難題を解決する方法の一つとして「顧客満足度競争」というものが位
置づけられ始めているわけですよ(新古典学派では、だけどね)。

たとえばね、過疎地の老人ばかりの田舎に行くと、まだ、個人の家電品店があ
る訳です。でもって、都会の量販店の価格よりかなり高い価格でTVを売って
いるけど、そのかわり、家に据え付けたらアンテナ線の接続やらビデオとの接
続やら全部やるわけですね。ついでにチャンネルの設定もやる(田舎はUHF
チャンネルが多くて自動設定できない場所も多いからね:笑)。これに類する
付加サービスという労働を市場競争に付け加えて行かないと、生産と消費が循
環しなく成ってきているわけです。

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138321「冗長性」の概念=イレギュラー処理トド 9/28-01:03
記事番号138284へのコメント
ものつくり屋さん、こんばんは。レス頂いて恐縮です。

「ものつくり屋」さんは No.138284「「冗長性」の概念」で書きました。
>テストを求められる事で「馬鹿な」というのはプロとして少し恥ずかしい面
>があって、「そこまでのテストはしていませんが、屋内使用でもこの程度の
>事は予想した設計となっています。そのため、屋外使用中のにわか雨で、急
>いで屋根のあるところに取り込んだ場合くらいは、たいてい保つとは思いま
>すが、そこまでの保証はできませんので、『屋内で使用してください』『水
>しぶきがかからない様に使用してください』という事にしています。」とい
>う説明で相手に納得してもらう事を心がけるべきだと思うわけです。

難しいのは、作った人間がお客様に直接説明する機会が少ない、ということ
かも知れません。
ちょっと前なら、その辺は「阿吽の呼吸」とでも言うのでしょうか、開発(自
分)側とディーラー側で互いの線引きが有ったように思います。
ところが、今は、ディーラーは「無理難題」を言うユーザを怖れて、その立場
で「完全」な「保証」を求めてくることがあるのです。

>
>なんて言いますかね、こうやって、自分の設計では「ここまでは保つ』くら
>いに作って置いて、それより一段低い所を「保証」のレベルするというのは
>我々の世代の一種の常識なんですね。これを「冗長性」なんて言いますけど
>ね。

私の常識も全く同じです。

>なんて言いますかね、この事前問い合わせ制度にしてもね。昔なら「どう考
>えても法律にはかからない」という所まで自分のシステムを持っていくとい
>う事が基本にあったわけです。ギリギリなんてのは、「プロがやる事じゃな
>い」訳ですね。ところが、今はプロの概念が変わってきて、冗長性を省いて
>ギリギリにするのがプロみたいになっているから、制度が必要となるわけで
>すよ。
>
私の感覚では、開発側が作る冗長性をユーザ側(というよりディーラ側)が認
めていない、という感じがあります。「どこまでOKなのか、はっきりしろ!」
と求められている感覚です。
 #ユーザに責められたときのためですね・・

開発側の人間として「冗長性を削る」ということはしていないつもり(主観
だぁ)です。
ですが、「誤った使い方をした時にどうなるか」を「保証」しろ、というの
は殆ど「不可能」なんです。

立場(開発側と使用する側)が違っていれば、主張も異なると思います。
それはいいんです。当然ですから。でも、中間にいるディーラーはどんな
立ち位置にいなければならないか、わきまえて欲しいなぁ、というのが私
の気持ちなのでした。

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138336「消費者=労働者とその家族」の概念「ものつくり屋」 9/28-11:04
記事番号138321へのコメント
こんにちは、トドさん。

>立場(開発側と使用する側)が違っていれば、主張も異なると思います。
>それはいいんです。当然ですから。

実はね、その異なる主張をつなぐリンクが、私が表題に書いた「消費者=
労働者とその家族」という事なんですね(笑)。

これのたとえ話として、八百屋の大将に「この前のダイコン、中にスが入
っていたわよ」と文句言われた時に、「ちゃんと見て、選べば良いじゃな
いか」と言い返したいかも知れない訳です。でもね、プロの販売者がそれ
を言う事を許したら、八百屋のおかみさんが魚が食いたくて魚を買いに行
ったときに、「古くないか」と得意でもない魚の目利きをしなくてはなら
ない事になるんだ。なんて話をするわけです。

この話を裏返すとね。八百屋からスの入ったダイコンを買ったお母ちゃん
は、「プロなんだから万に一つのミスもするな、こんなもの売るなら八百
屋をやめちまえ」と喚きたいかも知れません。でも、本当に「プロなら万
に一つも許されない」なら、そのお母ちゃんがダイコンを買う金を稼いで
いるお父ちゃんも、旋盤で金属を削って部品を作るときに「万に一つのミ
スも許されない」となるわけです。苦しすぎるじゃないですか(笑)。

もともと、社会にはこういう全体感があるものなんですね。そして、現代
において、それが失われ始めている訳です。

なんて言いますかね、官庁に問い合わせなくては成らないような、「法律
ギリギリのこと」なんてのをね、こういう感覚で考えてみると言い訳です
よ。それで、別に悪いことにもならずに、消費者にわずかに利便性をあげ
たサービスができるかもしれません。でもね、大きな意味で言うと社会に
「紛らわしい事」は増える訳でしょ。消費者はその法律ギリギリの事をや
る業者を認めて、わずかな利便性を手に入れる代償に、「悪い業者と良い
業者の見分けが最近つきにくくなったね」という社会を手に入れる事にな
るわけですよ。どっちが得かを考えるためには、社会の全体が「社会を構
成する」ということのプロにならないといけないのです。