
大手マスコミ的視点でテーマを分かりやすく持ってくるのではなく、複雑な世の中を複雑なまま取り込もうとする姿勢は大変面白い。しかし、結局のところ「反対運動はビジネス」「正しく見えても裏がある」「人間って、したたかだよね〜」的な分かりやすさを提供しているだけにもみえる。陰謀論と同じで、良く分かった気にさせられる分、余計たちが悪い。
とはいえ、原則論で物事を単純化しがちな風潮について考えさせられる、良い本だろう。現状を正しく伝えているかどうかは、別として。
【目次】
- 国民の声 ― クレームの愉しみ
- 親切部隊 ― 小さな親切運動
- 自分で考える人びと ― 統一教会とマインドコントロール
- 忘れがたきふるさと ― 世界遺産観光
- みんなのエコロジー ― 諌早湾干拓問題
- ガリバーの王国 ― 上九一色村オウム反対運動
- 反対の賛成なのだ ― 沖縄米軍基地問題
- 危険な日常 ― 若狭湾原発銀座
- アホの効用 ― 横山ノック知事セクハラ事件
- ぶら下がり天国 ― 富士山青木ヶ原樹海探訪
- からくり民主主義 ― あとがきに代えて
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