
解説はポイントを絞って書かれており、一つの判決につき、わずか2ページにまとめられている。そのため、飽きることも無くサクサクと読み進められる。解説は短いといっても、意外と細かい背景事情も書かれており、「裁判官も、人の子だな」と思わせるようなことも多々ある。日本の裁判が、どのような基準で善悪を判断しているのか、初心者が全体像を見るのには大変役に立つ本だろう。
この本を一読しておけば、たとえば飲み会の場とかで、
「あなたの一番好きな判例は、何ですか?」
と異性から聞かれたときに、
「そうねぇ。私としては『尊属殺重罰規定違憲判決』かしら」
「私もですよ(ハート)」
と言うこともあるかも知れない。